右向き頭像/ゲニウスによって支えられた楯を持つヴィクトリー座像 二コメディア鋳(AD335) RIC-175 Dep-44/1 S-15758(4.37g) コンスタンティヌス1世は、父帝コンスタンティウス1世の死に際し、307年、軍によって正帝に宣されたが、正式の西方皇帝になったのは312年。キリストを表す旗の下、ミルウィウス橋の戦いに於いてマクセンティウスを破り、ローマに入城してからであった。盟友リキニウスと共に翌年、発令したミラノ勅令により、キリスト教は公認され、迫害により、没収されたキリスト教徒の財産返還を命じた。更に324年、リキニウスとの最終決戦に勝利した彼は、分裂したローマ帝国を再び統一し、ビザンチンと呼ばれていた古都をコンスタンティノープルと改称の上、帝国の首都として、遷都し、キリスト教的な都市を建設した。ローマはこれにより、ビザンチン帝国へと変容し、1000年帝国を築くことになるが、この事績により、後に“大帝“と称せられる。彼は又、貨幣に於いても、大きな変革を成し遂げ、貨幣経済の復活を図った。幣制では、共和政ローマから続いていたが、発行数が減少していたアウレウス金貨を廃し、ソリドゥス金貨を創設し、金本位制を採った。この単位は、その後、ロマヌス3世の963年迄存続することになる。又、デザイン面では、アウグストゥス以来、一部の貨幣に銘文を廃したデザインを採用している。特に本品の如く、キリストを意識したように、天を見上げるような視線の大王を描いたタイプは“Hearenward gaze“とか“Looking upward“と呼ばれ、ローマ金貨コレクションでは欠かすことのできない白眉として欧米では常にオークションの高嶺の花となっている 大王の眼差しの先には何が見えたのであろうか？ⓇⓇ
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